テスト戦略論

次は、学校のテスト。

 

高1・2年生でも、「知識はあるし勉強も頑張っているのになかなかテストで良い点が取れない」という現象が起こる場合があります。

 

この現象を分析し対策をとることができれば、テストだけにとどまらず入試にも適用できると考えられるのではないでしょうか。

 

今回は、サッカーに例えて分析・応用してみます。

 

----------

 

 

【場面設定】

 

・まず、サッカーでフリーキックをすることになり、複数のステージ(ゴールまでの距離、角度、壁等が変わる)でできるだけ多くゴールする必要がある、という設定をする。

(現時点では、1つもゴールできないものとする)

 

・2週間後の勝負で目標数をゴールしなければならず、それまでの間で以下のものが自由に使えるものとする。

 

(ア)

ゴールできる方法が分かるビデオ(角度、強さ、etc)

 

(イ)

自分の蹴り方を修正してくれるプロ

 

(ウ)

筋力トレーニング器材

 

(エ)

実際のステージを含めた複数の類似練習ステージ

※本番までどのステージが選ばれるか不明

 

----------

 

 

 

ここで、勝負までの2週間の間に取れる戦略をいくつか考察すると、

 

戦略A.

とりあえず自分で試しに蹴ってみて失敗し、それからビデオを見て「なるほど」と思い、そのまま次のステージへ行ってまた

とりあえず自分で試しに蹴ってみて失敗し、それからビデオを見て「なるほど」と思い、そのまま次のステージへ行ってまた…

 

戦略B.

ひたすら筋力トレーニングをする。

 

戦略C.

ビデオを見てゴールの仕方を研究した上で実際に蹴ってみて、失敗したら「何がダメだったか」をプロに聞いて動きを矯正してもらい、無事にゴールできたら次のステージに行きつつも既にゴールできたステージでの動きを忘れないように毎日復習練習も軽くする。

 

 

などが挙げられ、そうすると目標達成に向けた戦略については上記3案の中では戦略「C」がベストだとイメージすることができます。

※現在我々が生きている世界の常識的な物理法則が同様に働いているという前提で、戦略「A」が戦略「C」よりも優れているとは言えないハズです。

 

もし「戦略「C」を取る方がいいよ」とアドバイスを既に受けているのにもかかわらずそれを無視し戦略「A」と戦略「B」をガムシャラに頑張り続けた挙げ句「たくさんゴールしたいのに、なかなかゴールができない!なぜだ?」と嘆いている人がいたら、あなたはどう思うでしょうか。

 

 

----------

 

 

さて、以上の例え話を冒頭の「学校のテスト」にあてはめるとどうなるでしょう。

 

 

 

もちろん、「フリーキック」は「テスト」のことであり、

 

「2週間後の勝負で目標数のゴールを獲得する」とは「2週間後のテストで、目標点数を勝ち取る」ということです。

 

 

 

(ア)「ゴールできる方法が分かるビデオ」は「過去のテスト、教科書や問題集の解答・解説ページなど」

 

(イ)「自分の蹴り方を修正してくれるプロ」は「塾講師など、その問題が解ける人」

 

(ウ)「筋トレ」は「単語、文法等の基礎知識」

 

(エ)「実際のステージを含めた複数の類似練習ステージ」は「問題集など」

 

 

となります。

 

 

ということで、上の例え話を実際のテストの話に当てはめなおすと、下記のようになります。

 

 

 

----------

 

 

【場面設定】

 

・学校でテストをすることになり、複数の問題でできるだけ多く得点する必要がある、と設定する。

(現時点では、1つも得点できないものとする)

 

・2週間後のテストで目標点数を獲得しなければならず、それまでの間で以下のものが自由に使えるものとする。

 

(ア)

過去のテスト、教科書や問題集の解答・解説ページなど

 

(イ)

塾講師など、その問題が解ける人

 

(ウ)

単語、文法等の基礎知識参考書

 

(エ)

教科書、問題集など

 

 

----------

 

 

 

ここで、テストまでの2週間の間に取れる戦略をいくつか考察すると、

 

戦略A.

とりあえず自分で試しに解いてみて間違えて、それから解答・解説ページを見て「なるほど」と思い、そのまま次の問題へ進んでまた

とりあえず自分で試しに解いてみて間違えて、それから解答・解説ページを見て「なるほど」と思い、そのまま次の問題へ進んでまた…

 

戦略B.

ひたすら単語や文法知識を身につける。

 

戦略C.

解答・解説ページを見て正解の仕方を研究した上で実際に解いてみて、間違えたら「何がダメだったか」を塾講師などに聞いて解き方を矯正してもらい、無事に正解できたら次の問題に行きつつも既に正解できた問題での解き方を忘れないように毎日復習も軽くする。

 

 

などが挙げられ、目標達成に向けた戦略については上記3案の中では戦略「C」がベストだとイメージすることができる。

※現在我々が生きている世界の常識的な物理法則が同様に働いているという前提で、戦略「A」が戦略「C」よりも優れているとは言えないハズ。 

 

 

----------

 

 

冒頭の、「知識はあるし勉強も頑張っているのになかなかテストで良い点が取れない」という方には、戦略「A」と戦略「B」を一生懸命頑張っている方が少なくありません。

 

なぜ戦略「C」をアドバイスしてもなお戦略「A」や戦略「B」を取り続けるのかという問題については「習慣」という強大な力が関わってくるのではないかと考えられますが、それはまた別の機会にとりあげたいと思います。

 

対策に関しては1つ、実際の塾の指導の中に取り入れ始めた採用案があるので、それもまた近いうちに別稿にて投稿します。