※写真は、ストックしたままだった高3生からの質問の解説
オールラウンド渡辺です。
『勉強法のアドバイスと、目標実現に必要なマインドについて』
初めに、勉強法について、アドバイスを書きます。
まずは、例え話。
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「栄養をタップリとって、身体を健康にしたい!」を目標にしてみます。
そのための手段が2つあります。
「手段A」
こんにゃくゼリーを食べる。
(栄養はあまりないが、美味しい)
「手段B」
青汁を飲む。
(栄養がある。美味しくない)
さて、目標を実現させるために、あなたならどちらの手段をとりますか?
目標を本当に実現させたい人は、おそらく「手段B」をとるでしょう。
目標の実現よりも「好きな方」を優先して、「手段A」をとる人もいるかも知れませんね。
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さて、例え話は終わりです。
次に、
「知識をタップリ定着させて、試験でより良い点数をとりたい!」を目標にしてみます。
そのための手段が2つあります。
「手段A」
点数の低いときのやり方(※具体例は後述)を続ける。
(効果はあまりないが、慣れていて楽だ)
「手段B」
点数が高くなるやり方に変える。
(効果がある。慣れるまでは面倒くさい)
さて、目標を実現させるために、あなたならどちらの手段をとりますか?
目標を本当に実現させたい人は、おそらく「手段B」をとるでしょう。
目標の実現よりも「好きな方」を優先して、「手段A」をとる人もいるかも知れませんね。
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以上、知識をタップリ定着させて、試験でより良い点数をとりたいのであれば、点数の低いときのやり方を続けていては基本的には目標を実現できません。
「点数の低いときのやり方」と言いましたが、高校に入るまではそのやり方で通用した人もいるでしょう。
ただし、高校に入ってそのやり方が通用しなくなっているのなら、より良い点数を目標にする限りはそのやり方を改善しようと考えてください。
改善行動をとらないのであれば、その方は「より良い点数をとる」ではなく、「好きなやり方で勉強する」を目標にしています。
目標が「より良い点数をとる」ではないのだから、「より良い点数をとる」という結果が出るかどうかという因果関係が強くあらわれなくても、当たり前です。
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『点数が効率良く伸びるとは考えにくい行動の具体例』
・解き方の基本ルール等をチェックせずに、いきなり問題に取りかかる。
・問題の難易度がバラバラでも、とにかく前から順に解く。
→もし試験内容が「不正解でもいいし何を使って調べてもいいから、とにかく期限内に何か書いて提出する」であれば、この行動は正しいかもしれません。
しかし実際の試験内容は「自分の頭だけを使って、制限時間内に一定点数以上をとる」です。
点数を伸ばすなら、試験に課された条件をクリアできる行動をキチンととっているかどうかを考える必要があります。
・たくさん問題を解いてから、解答をチェックする。
→間違った考え方の修正は、早くするに越したことはない。
「一気に丸つけをして同じようなミスがたくさんあった」ということは、「同じようなミスをしているところの分だけ、無駄に悩む時間を増やした」ということだし、「間違いな考え方を繰り返したことにより、考え方の修正もより困難になってしまった」ということで、2つも大きな損失をもたらしてしまっているということを自覚する必要があります。
・応用問題で初見のものでも、解説を見ずに5分以上考え込む。
→目標次第では大切な姿勢にもなるが、(限られた時間で)点数を効率よく伸ばすという目標では、時間を無駄にしている分だけ目標実現から遠ざかっている可能性が高い。
・試験の前日の時点で、試験範囲を1周できていない。
・日々の授業や1週間単位で未解決の問題を解決せず、試験が近づいてから溜まった未解決問題を一気に学ぼうとする。
・基本問題をマスターしていない状態なのに、「範囲だから」という理由だけで応用問題に手を出す。
・勉強時間や講師の指導が「最大限与えられる(予期せぬ事態は起こらない)」と考え、期限ギリギリまで問題を先延ばしにする。
→「予期せぬことで時間・講師の指導が思ったよりも与えられなくなる」可能性を想定せずに「ギリギリで間に合わせよう」とするのは、たとえるならば巣の中の鳥(←いつ巣立っても大丈夫なほど成長している)が、親鳥がいなくなる可能性を想定せずに「飢えるまでにはエサが与えられるだろうから」と、独力でエサをとる体力がなくなるまでただひたすらに叫んでエサを待っているようなもの。
高校生は、高校入試の内容を理解し一定数以上の正答を導き出せる程度に論理的思考力を身につけている時点で、「ときどき予期せぬことが起きても十分試験の準備が出来ているようにするにはどう行動を改善すべきか」を考えていく能力があると僕は考えます。
独力でエサをとることが求められるステージで、「ただひたすらに叫んでエサを待っていればいいんだ」と思わせるようなサポートはしません。
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『点数が効率よく伸びると思われる行動の具体例』
・解き方の基本ルール等をチェックし、問題も解説を見て「なるほど、こういう問題は、こういう風に解くのか」と、解き方を先に学んでから問題を解く。
※解説で5分真剣に考えて分からないところがあったら 、講師に質問をして分からない部分を解決する。
・問題の難易度がバラバラなら、解ける問題から順に解く。
※もしくは、前から順でも5分考えて解けなかった問題は後回しにして(後で解くなり講師に教えてもらうなりする)、とにかくスピーディーに問題をこなしていく。
・こまめに、解答をチェックする(理想は、1問ごとにチェック)。
・日々の授業や1週間単位で未解決の問題を解決しておく。試験が近づいても溜まった未解決問題がないようにする。
・基本問題をしっかり理解するまでは応用問題に手を出さない。
※応用問題を丁寧に理解することで基本問題も同時にクリアするという荒業もなくはないが、時間を区切って見極める必要あり。
・予期せぬことが起きて、直前期に予定通りの勉強時間や講師の指導が得られなくても十分試験に対応できるような時間配分で準備をする。
あえて二度言いますが、高校生は、高校入試の内容を理解し一定数以上の正答を導き出せる程度に論理的思考力を身につけている時点で、「ときどき予期せぬことが起きても十分試験の準備が出来ているようにするにはどう行動を改善すべきか」を考えていく能力があると僕は考えます。
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高校に入るまではとくに意識しなくても問題なかったマインドかもですが、義務教育を終え同年齢で働き始めている人もすでに出ている高校生以降で、ぜひ鍛えていってほしいマインドが今回は2つあります。
「時間は有限」という意識と、
「他人の時間は、当然確保できるものとは限らない」という意識。
予期せぬことを想定せず、期限ギリギリで問題を解決しようという姿勢では、目標の実現可能性は当然下がります。
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『点数が効率良く伸びるとは考えにくい行動』から 『点数が効率よく伸びると思われる行動』へと勉強姿勢を変えていくことは、知識のほかに僕から塾生へ提供したいものの一つです。
なぜなら、『点数が効率よく伸びると思われる行動』は「自力で結果を出すための姿勢」へと通じ、「自力で結果を出すための姿勢」というのは、学生時代を終えても、日本であれ海外であれ一人でも逞しく生きていくために重要だと信じているからです。
人の数だけ「解」があるので、自分の考えが絶対とは言いません。
「姿勢・行動」などを変えられようとしている側からすれば、人格を否定されたように感じる可能性もあるでしょう。
ショックや嫌悪感などのネガティブな反応も起こるかもしれません。
しかし、目標も達成できない「良くない姿勢」に見て見ぬふりをし、口先だけのご機嫌とりを続け、結果受験など大きな目標を達成できなかった塾生に対し「残念だったね」で済ますような指導をするためにこの塾を起ち上げたわけではありません。
ホメオスタシス(←生理的な性質を一定に保とうとする働き)は強力です。
現状に対する強烈あるいは長期的な居心地悪さを感じないと、人はなかなか行動を変えられません。
「何だかんだで、許された」
「何だかんだで、大きな痛手を受けなかった」
外部によって守られたのか、運が良かったのか。
「ただひたすらに叫んでエサを待っていればいいんだ」というマインドから、完全には脱皮しきれていない。
小さいところで転ばずに来た結果、目標にそぐわない行動を変えられずにいるのであれば、大きくなってからの大ケガを防ぐため、今のうちに小さな失敗(痛手)を体感させることで自分で修正できるように鍛えることも、ときには必要かも知れません。
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終身雇用崩壊やAIの台頭など、先の見えない時代を塾生たちがたくましく生き抜いていくためにできるサポートを、引き続き考えていきたいと思います。